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ネクタイ
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「芸術的な情緒のみが、欠けていた、だから撤退した……」
アサクラは、世間に認められる組織とするためにあらゆるメーカーをまとめ、販売を行っていた大元のところだ。
――けれど、書籍やアニメ、漫画などには大きくは参入しなかったと言われている。もしかするとあのレビューのようなものはなんかの布石なのか。
「芸術は、むしろ作者自体が神格化するしな」
「ネクタイ曲がってない?」
じっ……と見つめて聞かれてなんとなく頭を撫でた。
「かっこいいよ」
本心でそう言い、にっと笑う。
「ほんと? ならなぜ撫でる」
色はじとっと俺を見た。不満らしい。
「髪を……ほら、寝癖を直してた」
「寝癖なんかない」
やはり不満らしい。
「撫でたかっただけ」
一応白状すると、そいつは、同じように俺を撫でた。
「……?」
「撫でたかっただけ」
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