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ラブリー
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「そうだね」
何が言いたいかって、いや別にお前に救ってもらいたいわけじゃないし、なにしてんの?
っていう感じで。
「俺のことは俺が決めるし、いくらか、折り合いも付けてきたものだ。今更それを引き出されて同情に使われるから、馬鹿らしい」
「だよな」
「あははっ」
「面白いね、ラブリーだ」
男は首の、ごつい龍のペンダントを見せつけるようにして手を叩いた。
「愛の戦士にでも使えそうだよ」
しかし、色は表情を変えたりせず、そいつをじっと見ていた。
「――俺らさぁ。おじさん一人の行く末より、将来の子どもたちへの影響の方が、ずーっと気にしてる」
「おい……」
慌てて、肩をつかんで止めようとするけれど、そいつは一度スイッチが入ると、なかなか止まらない。
「妨害されたら、俺らじゃなくて、みんなの未来に影響が出ていくわけ――」
「んなの当たっても、仕方ないだろ?」
「いま、いいとこなんだよねー」
ワイングラスを手に、そいつは、くすっと笑う。
「やっと、愛しい女神を説得出来そうで。勘違いをただして、機嫌を納めてもらえて交渉がうまくいってた。あんたらが、偽情報を俺らと同時に流さない間は――
被せてこられると何を信じたらいいのかと、時が混乱しちゃって、未来に影響する。
違う方法にしてくれないかな」
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