アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
序列
-
「同じ世界を愛するもの同士、仲良くしましょう」
女の声がした。パーティドレスに身を包んだ橋引だった。
「争って蹴落とし合うよりも、認め合う方が素敵だわ」
俺はちらりと彼女を見上げた。色はなにも言うなという視線を送ってくる。わかってるって。
「宝石見てたんじゃないのかな」
代わりにひそっと囁いてくる。
「さぁ……」
「もともと、海外の不動産関連からバブルが弾けて株価が暴落したことからの不況のせいでもあるのよ。
日本は、非正規雇用が増える一方で、海外からの雇用者も追い出されて、バブルを求める資産家や企業がついに『こういうもの』にも頼り始めた」
宗教家とはまたさらに違う線も絡むということらしい。
日本は非正規雇用と正規雇用で賃金に格差がある。
『能力』はそれとはまた違う枠組みでもあった。
だからこそ、楽をしたいだけの『偽物』がよく沸いているのだけれど、名ばかりの仲間内が増えたのもたしかであり、年功序列的な派閥が存在していた。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
89 / 164