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ピザ
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まぁ、結局はどこにだって差があるのは変わらないのだけど、 それにしたって根本にあるのは非正規と正規雇用の差というのもひとつだと彼女は言うらしい。
海外は、またそれとは違うと聞いたことがあるけれど……
俺にはよくわかってない。
「争ったって、何にも良いことないわ。こちらはこちらだし、あなたたちはあなたたちだもの。いずれ老いた順に消えていくだけ。
能力者の寿命はそう長くないといわれてる。
私、少ない余生を楽しみたいの」
「無駄に長生きしてるとこみると、消耗が激しくなさそうね。私たちと違って」
二つ音声が聞こえ、一瞬彼女がどちらを言ったか俺にはわからず、ぱちくりと目を動かしてしまった。
中途半端な力が一番危険だ。
だから、足を引っ張られるようなこの状態こそ、危険なのはわかりきっている。
確かにどうにか、引きずるような真似をやめさせないと何かあったとき彼らまで巻き添えになるだろう。
「ピザ屋さんないかな」
色が、グラスをテーブルに戻しながら唐突に呟いた。
「ピザが、見えるんだ……どこか、近く。俺ピザ食べたい」
こんなパーティ会場にピザ屋が来てるわけないだろうと漠然と思うが見えるならあるのかもしれなかった。
「色、ピザ以外に何かあるか?」
「……リング」
「え?」
「わか、わからない、白い粉? スパイスかも。しれない」
「待ってろ」
なんかわからないが高い場所を探すことにした。見張らしがよくないと千里眼は使いづらい。人がごったがえす廊下を走り抜けて、ベランダへ向かうとそこから屋根へ出た。
誰かがピザ屋のフリをして別のデリバリーをしてるって場合もある……
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