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ピザ
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ピザの配達屋を探してると、確かに食べたくなってくる。
「そういや、色のスーツ姿は最高だったなぁ」
涎が垂れそうになり、慌てて気を引き締める。怪しいモンが出てきた場合はお預けになる。
その場合、なんか別のを食べるしかないが、と……完全に食事方面に意識が行きそうだった。やばいやばい。
ふっと目を閉じて、今そいつが何をしてるか探る。
笹山、ではないだろうが男性と何やら話している。
あいつ、人当たりがめちゃいいわけでもないのに、人から話しかけられるんだよな。
なんていうか。
《逆に話しかけて嫌がられたい》みたいなやつ。変態が特に。
まぁ、わりと容赦ない性格をしているから安心してるけれど、テレビか新聞の関係者か?
場所は、まだホールみたいだが。
廊下を歩いてると突然、欅坂46の『語るなら未来を… 』のイントロが響いた。
「えっ、な、なに?」
キョロキョロと辺りを見渡す。小さな女の子が立っていた。
長い髪で隠れた顔が、そっとこちらを見る。
何も話さないが、近くに行くと《声》が脳内に届いた。
―――あなたも――
探しているの?
「え?」
気がつくと、その子はいなくなっていた。
そして、脳内の無線が、また始まる。
――巡査部長。
――巡査部長。
「巡査部長?」
なんのことだ。どういう意味だ。すぐにノイズがかかってしまう。
頭に映像が写る。
パーティ会場のホールで、誰か酔いつぶれでもしたんだろう、赤い顔をした人が、テーブルに崩れ落ちるように倒れていた。
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