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未来と今
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昔、俺と同じような力のあった槇原さんという先輩が死んだ。
彼女は、俺からしたらそんなに嫌われるほどの人に見えなかったし、会社でもわりと馴染んでてむしろ、あんな狂ったメンバーの唯一の常識人といえるような女性だったのだが。
――ある日、恨みを買ってたとかで殺されていた。
未来についてどう思うか、ということに彼女は何も語らなかった。
でも俺はわかる。
少し先の未来を知っていたとしてそれがどんな気分かっていうと。
いつか来る『しめきり』をずっと知っていて毎日急かされる気分である。
しめきりが嫌いな漫画家や小説かの話とかがたまにテレビとかでやっていたのを思い出すと旅行に行ったり、公園とかに宛もなく逃げたくなったりしている。
仕事にも関わらず。
生活であるにも関わらず、彼らは怯え、震えて、戻りたくないなどと言う。
来ることが見えているのに、それを避ける手段がない。
フラッシュバックみたいに、 先に見えて、そのあと殴られたって、二回殴られたようなものだ。
何回も、先に殴られておいて、最後に物理的に現実から殴られる。
『それ』が、 つまらないとか、便利とかっていう次元じゃないこともわかってない奴が多すぎるのだ。
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