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うらたぬき side
俺がまふまふを見つけた時は、飛び降りる瞬間で、まふまふの死を見てしまった。
まふまふが飛び降りようとしてて、駆け寄ったけど、もう手の届かない所まで落下していた。
俺は間に合わなかった。
「まふ…!!まふまふ…!!」
と沢山、沢山叫んで、手を伸びるだけ伸ばしたのに。
ふらっと立ち、縁に座った。泣きながら救急車に電話をかけた。そらるさんに電話をかけたのは涙が止まって、涙声が収まってからだから結構時間が経っていたと思う。
ふと隣を見ると、綺麗に揃えられた靴の隣に、何枚か封筒があった。
そらるさん、坂田、俺、そして他の歌い手達、リスナー宛の手紙。
それを俺は拾ったが、コートのポケットの中にしまったまま忘れていた。
幸せだった。とか書かれてたら許せないし、何が書かれても何も言わずに去ったまふまふを許さない。俺は自分の手紙さえ開けなかった。
俺は人を…大切な友達を目の前で失ったことで精神があまりよくないらしい。
時々急に泣いたり叫んだり、そのままフッと意識を飛ばしてしまう。
全部、全部、まふまふのせいだ。
まふまふが死んだせいでそらるさんはずっと沈み込んで部屋に閉じこもっている。
坂田だって1ヶ月経ってもまた目の周りを腫らしているとか。
俺は手紙のことを思い出し、みんなに渡そうと病院を出た。
手紙のことを考えるだけで苦しくなってしまう。
唐突に泣き叫んだりしたらどうにもならないから、センラについて来てもらうことにした。
センラもまふまふが死んだことを知っている。
手紙のことも言ったし、渡した。
センラは涙を見せた。初めてだったかもしれない。センラが泣くのを見たのは。
俺も吊られて泣いてしまった。
「手紙を知ったらみんなどんな反応するかな…」
「どうでしょうねぇ…」
道中喋ったのはこれだけかもしれない。
最初に行ったのはそらるさんの家だ。
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