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携帯…?
さらに首を振った。
「いいから!
持っといてくれ!
大丈夫。月々の払いはこっちでするから!」
兄さん…怒ってる…?
ううん。
怒っているのは、兄さん自身の不甲斐なさについて…だ。
せめて携帯でも…って。
…僕が受け取ったものだから、兄さん、ほっとしたようだ。
良いのに。
気を使わなくて…。
ほんとに良いのに。
ほんとに、僕なんかと関わってたらいいことないし…、兄さんが、どっか行っちゃうっていうのは……覚悟してたんだ。
それが…早いか遅いかの違いだけで。
だって、兄さんは名字も違う。
犯行が起った時、ネットで広まったのは、父と子の二人暮らし。
だから…兄さんは、元の場所に帰れば、それはそれでおしまい。
だから、いいんだ。
兄さんまで、辛い目に遭うことないよ?
でも…
ほんとは…
ほんとはね、兄さん…帰って来てくれて…
ほんとに…嬉しくて…
嬉しくて
嬉しくて……。
兄さんは…
僕に会えて……嬉しいって、思ってくれた…の?
それだけが…僕…聞きたかった…。
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