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俺は生まれた時から、自分を産んだ母の顔を知らない。代わりに覚えているのは、無関心な父だけだった。
ひょうか『おとぅしゃ…これ、みて…?』
父は気だるそうに、俺の方を見る。
今となれば、うざかったんだろうなと思う。
あの頃の俺は何も知らなくて、ただ見てくれる事が嬉しくて、にこにこ笑いながら下手くそな絵を父に見せていた。
ひょうか『おとぅしゃんかいたの!』
父『…そうか』
そんな俺を、父は怒る事も褒める事もなく、ただただ興味なさげにいつも「そうか」とだけ呟いた。
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氷花「世界に愛なんてない、人に愛を求めてはいけない」
ひょうか『おとうしゃん…どこいくの?…』
父『…』
ひょうか『ぼくもいっしょに…』
父『…お前はここに居なさい』
ひょうか『おとうしゃ…』
父『お前の居場所はここだけだ』
父は最後の最後まで、俺の名前を呼ぶ事無く、見る事無く、愛する事無く、小さい俺を置いて家を出ていってしまった。
キー…ガチャンッ
ひょうか『うぅ…おとうしゃん…ぐすっ…まって…いいこにするから…おいていかないで…ぼくを…_____』
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