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子羊の迷走5
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「え~~古賀君は、わたくし相庭高良の応援演説を『是非にさせてほしい!』と言ってくれているので、お礼に僕が古賀佐久也君の応援演説をしたいと思います」
誰が『是非に』などと頼んだ!?
全校生徒を前に、よくもま~すらすらと適当なことが言えるよ。
軽蔑すべきところを、間違えて尊敬してしまいそうだ。
このっ、ペテン師!
高良が、今まで聞いたこともない、俺に対する絶賛の誉め言葉を饒舌に話す姿を、横でぼんやりと眺めていた。
「はい、佐久ちゃん。頼むぜ、俺の応援演説!」
言葉を受けて、手に持つマイクのスイッチを入れる。
ここで、全校生徒を前に数々の高良の悪事を暴露してやったら、どんなにかスッキリすることだろう。
でも、悲しいことに…俺にはそんな大胆なことする度胸はない。
なので、用意していた高良への応援演説をそのまま話しただけだった。
少しは気の利いた皮肉の一つも加えてやりたいところだけれど、あまりにもショックで、思考能力がフリーズしているのだ、仕方がない。
そんな俺の横で、高良が全校生徒に向かう。
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