アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
子羊の迷走7
-
再び、館内はざわめきに包まれる。
演説会を仕切る、選挙管理委員が、オロオロとしている。
高良のせいで、ゴメンナサイ!
俺が謝罪する筋合いではないけど(むしろ、高良が俺にも「謝れ!」だけど)、かわいそうになって、心の中で謝罪する。
いくらなんでも、これでは仕方がないだろう……。
高良の計画が失敗することで胸を撫で下ろす自分と。
高良が会長になれないことを残念に思う自分がいる。
すっごい悔しいだろうな……。
そっと、横に立つ高良の顔を盗み見る。
おい、おい……ちっとはメゲろよ!
垂れた目をさらに下げ、でかい口の両端を引き上げて、いつもの不適な(ニヤケたとか、キモいとも言う)笑みをそのままに、楽しんでいるように壇下を見下ろしていた。
「いいでしょう。そのセット立候補、認めましょう」
体育館のざわめきを遮る低い声。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
7 / 576