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子羊の迷走25
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「殴られた後でも『まぁ、佐久ちゃんのああいうところも俺は好きだなぁ』とか、言ってたぞ」
「ナニ言ってるんですか!カンベンして下さいよ~~~」
あの、バカ高良!
「高良の『好き』なんて、誰にでも所かまわず垂れ流しなんですから!」
俺の言葉に、周防さんが笑う。
「”垂れ流し”か…。確かに、相庭は誰にでも『好き、好き』言いすぎかな…」
そうだ、言い過ぎなんだよ!
ダレカレかまわず!
「うん。古賀は上手い事言うな。アイツが垂れてるのは、目だけじゃないんだな」
そりゃぁ、目はメチャ垂れてますよ。
「周防さん…それ上手いケド、ヒドイです……」
俺の抗議を笑顔で受ける。
「そうか? 古賀君は自分は相庭にきついのに、誰かに相庭を悪く言われるのは嫌なんだな?」
「………」
認めたくないけど…。
そう…、かも……。
「まぁ、身内ってそんなもんか」
「え…?」
そうだよな…。
俺たちは兄弟みたいに育ってきたし、高良は身内みたいなものだもん。
「まぁ……」
ハッキリとは答えず、濁しておく。
「じゃぁ、明日の放課後には生徒会室に召集かかると思うから。まず初めの大仕事は…すぐ、10月上旬の生徒総会だ。頑張ろう!」
「はい!」
周防さんは笑いながら…。
「コーヒー、ごちそうさま。邪魔したね」
そう言って、203号室を後にした。
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