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悩める子羊8
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「皆に、だよ。運動部の連中はさ、幹のこと試してるんだ。運動部の統括長が1年ってのは、書記局長と同じく前例がない」
そうだろうな…。 なんてったって、全運動部の“長”。
ふつうは最高学年だろう。
「だから…認めてやるか、やらないか、試してるんだよ」
「………」
こわぁ~。 それって試練ジャン。
幹、正念場だよ……。
「幹は要領良く器用に手を抜いて、テキトーには出来ない。不器用で単純」
「それ、褒めてるの!? けなしてるの?」
「だから、いいんだよ! 幹のそういうトコ は、一種の才能。全力で一生懸命。そういう奴が”いい奴”って思ってるんだよ、脳味噌まで筋肉でできてる奴等はね」
「あっ、ヒデぇ。 差別用語だ。 お前今、運動部全員を敵に回したぞ!」
「そうだな~。誰かに聞かれてたらマズいか…。でも、大丈夫だろ。まさか、佐久ちゃんは口外したりしないだろうし!なっ?」
それはどうかな~。
「明日、昼の全校放送で言っちゃお~かなぁ~」
高良がニヤリと笑う。
「佐久ちゃんに俺を陥れるような度胸はナイ!」
キッパリ、ハッキリと言い切る。
お前は俺を陥れたケドな!
「幹は年上から好かれる性格してる。だから、大丈夫だ。俺様の人選に間違いはナイのだよ!」
出ました、俺様発言。 高良ジャ○アン。
「佐久ちゃん。 メモなんか付けてんの?」
高良が俺の手元にあるメモ帳に手を伸ばし、パラパラとめくる。
「うぁ~、ビッシリ。 真面目だね~…」
やらなきゃいけないコト。 覚えなきゃいけないコト。 そうでもないコト。
一応、細かいコトまで全部メモしている。
別に忘れっぽいってワケではナイけど、念のため。
「誰かさんとは違いますからっ!」
「誰のことかな~?」
お前だよ、バカ高良。
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