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悩める子羊9
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生徒会室には高良と二人。
ここしばらく、まともに話をする時間はなかった。
あれから、殴ってしまったコトを高良はナニも触れようとしないし、俺もナニも言わない。
別に無かったコトにしてるワケではなく、俺たちはいつもそんなカンジ。
でも、高良に訊きたいコトがある。
騙してまで生徒会に引きずり込んだのは、ナゼなのか…。
何で、俺なの?
自分の中で解決できない思い。
訊いたら、高良はなんと答えるだろうか…?
「あの、たか…」
「相庭!ここに居たのか。職員室で須藤先生が呼んでる」
俺の言葉を掻き消すように、周防さんが生徒会室へ来るなり大きな声で高良へ話しかける。
高良が俺と話をしていたコトに周防さんが 気付き。
「悪い。会話遮ったな。もしかして、大事な話してたか?」
と、謝ってくれた。
「うんにぁ~。 大したコト話してなかったし…。なっ、佐久ちゃん!」
これから、俺にとっては”大したコト”を話したかったんだけど…。
仕方がないので…。
「ハイ。 高良とマトモな話なんて出来ません からっ!」
そう、答えた。
高良は立ち上がり、自分の座っていた折りた たみイスを片づける。
「じゃぁ、佐久ちゃん。またなっ!」
ヘラリと笑い、高良は徒会室を出て行ってしまった。
それを見送って、手元に視線を落とす。
ビッシリと書き込まれた俺のメモ帳。
そこへ『高良への質問。何で俺なのか?』と、書き込んでみた。
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