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悩める子羊11
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「そこ、他人の領分いじっている暇はないだろ? それに、古賀には補佐が居るから心配するな!」
櫻木さんの、冷たいようでしっかりと的確なご意見。
確かに、幹だって暇じゃナイ。
片付けないといけない仕事があるハズ。
「それぞれ、〆切までに確実にこなせよ。遅れると、結局はシワ寄せが古賀に行くからな…」
眼鏡の視線を書類から離すことなく、周防さんが言う。
「どうせ誰かが手伝ったところで…書記チームの仕事じゃないと相庭は認めないから、無駄だ。幹は用事が済んだら部活に行きな。大体、この忙しいのに局員不在ってことが問題だろう」
櫻木さんも、書類からは目を離さない。
自分の仕事をおろそかにすることなく、しっかり雑談も聞いている…この人たちはスゴイ……
「…綾世さんは言葉キツイけど、悪気はないから気にするなよ! じゃぁ俺、部活に行ってくるわ…ごめんな」
そう言って、肩をすくめる。
幹はちっとも悪くないのに…。
こっちこそ、気を遣わせてゴメン。
「幹颯斗、ロードワーク行ってきます! お先に失礼します」
幹は、『さすが体育会系!』というような挨拶を大声でし、徒会室を出て行った。
「森と城戸はどうした?」
「今日は俺だけでも大丈夫だと思って、部活へ行ってもらいました」
補佐役の局員。
森時ノ介(モリトキノスケ)と城戸将一(キドショ ウイチ)。
森さんは前期も書記局員を務めていて、本当なら今回局長に一番適任な人。
とても親切にしてくれる、優しい先輩。
城戸さんは…おそらく、俺が局長というコトに納得していない。
態度や言葉の端々にそう感じ取れるところがある。
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