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悩める子羊17
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「古賀!先輩たちが面会だよ」
クラスメイトの声に廊下を見ると、書記局員の森さんと城戸さんの二人が立っていた。
ちょうどいいや…。
実は、俺も今日は二人を訪ねて行こうと思っていた。
ただ、2年の教室に行くとなると…生徒会の2年生に出くわす確率が高いので、ちょっと尻込みしていた。
それが向こうから出向いてくれるなて…。
二人には申し訳ないけど。
ラッキー!なんて、思う。
鞄から用意していた分厚い茶封筒を取り出し、廊下へ向かう。
「召集が掛からないと思ったら…、お前が生徒会に顔を出してないってのは、どうゆうことだよ!」
開口一番に、城戸さんが怒り口調でまくし立てる。
それを片手で制しながら、森さんが優しい口調で言う。
「古賀君。大変だと思うけれど、このままじゃぁ…。 猶予はもう1週間もないだよ? 来週には総会だから…なんとしても、今週中には原稿を仕上げないと印刷や製本が間に合わなくなってしまう」
「お前、わっかてるのかよ!?」
胸中は穏やかではないハズだけど、表面上焦りを感じさせない森さんと、胸中も表面上も苛立っている城戸さん。
対照的な態度の二人を前に、大きく息を吸う。
「あの…。これ、お願いします!」
それぞれに茶封筒を手渡し、頭を深く下げる。
「なんだよ、これ?」
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