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悩める子羊20
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「なんで森が局長になんなかったんだよ!そしたら、こんなことにはなんなかっただろ!?」
放課後、俺がPC室へ入室しようとして耳に飛び込んできた言葉だった。
思わず足が止まる。
そこにはすでに森さんと城戸さんが来ていて、それぞれがPCに向かい作業をしながらの会話だった。
後ろのドアから入室するところだったで、教室の前に向いて座る二人は、まだ俺の存在には気が付いていない。
森さんは肩を竦め、小さく笑った。
「城戸くんは、そう思ってくれているんだ…」
「あったりまえだ!森は1年の時から書記局員をやってるじゃないか、適任はお前しか居ないだろ!!」
「そうかな……」
「笑ってんじゃねぇよ…。てっきり局長は森だと思ったから、俺は局員を引き受けたんだぞ。なのに、なんで1年坊主に二人してこき使われてるんだよ…相庭の奴、なにを考えてるんだっ!」
俺から二人の表情は見えないけれど、森さんは笑っていて…城戸さんは怒っている。
そして、その怒りは高良に向いているようだ。
「局員の依頼って選挙の後にあるはずなのに、今回は相庭が『当選した暁には』って… やたらと確約取り付けたがってから、今思えば…あれも変だったんだよな…」
「ごめんね」
「なんで、お前が謝るんだよっ!」
「うん…。局長に立候補しなかったのは、僕の意志だから…」
「えっ!?」
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