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悩める子羊24
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俺は、とりあえずドアをノックする。
いつまでも廊下に突っ立ているワケにもいない。
「失礼します!」
大きな声で挨拶しながら、横並びで作業をている二人の後ろに座った。
「遅くなりました。おかしな箇所はなかった ですか?」
「うん。大丈夫だよ」
俺の声に、森さんは笑顔で返す。
城戸さんはパソコンから視線を外さないまま片手でグーサインをよこす。
隣の空いている席に鞄を置き、PCを立ち上げる。
「言い出しっぺは、1番最初に来て待ってろよっ!」
城戸さんの口調がちょっとキツイ。
「すいません。掃除当番でした」
メモリースティックを差し込み、データを開く。
「なんだよ。そんなもん『生徒会が忙しいから』って、免除してもらえよ」
「そう言うの職権乱用って言うんですよ」
「お前、可愛くないな~…。もう反抗期かよ?」
「はっ!? なに言ってるんですか?」
森さんが噴き出す。
”反抗期”ってのは、おそく”Jr.”に絡んでいるのだろうけど…。
二人の話を立ち聞きしたことがバレてしまうので、あえて触れない。
そのかわり、ちょっと反撃。
「城戸さん。 顔が赤いですけど、どうかしたんですか?」
なんて、心配するフリして突っ込んでみる。
城戸さんの返答よりも早く、森さんが笑い転 げる。
「なっっ、なんでもねぇよ!」
言いながら、城戸さんが森さんを軽く足で蹴った。
まだ笑いながら、森さんは。
「こんな事言ってるけど…。城戸くんが古賀くんの立場だったら、同じようにちゃんと掃除当番最後までやって来るからねぇ~絶対!」
「当たり前だ。サボリはだめだろ! 俺、超~真面目だし」
「なんですか、ソレ!」
こんな風に、軽く冗談を言い合える先輩たちでよかった。
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