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悩める子羊26
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「それは誤解だよ。 それを聞いたら、城戸くんショックだろうな…。 まぁ、今までの態度じゃそう思われていても仕方ないのかもしれないけど…」
森さんはクスクスと笑っている。
「古賀くんを嫌ってるんじゃないよ。 いつになったら補佐の要請が来るのか、ずっと気にしてた。 古賀くんが一人で背負い込もうとしている事を心配していたよ」
「本当に…?」
「うん。不機嫌で怒っているような態度は… 嫌ってるんじゃなくて、なかなかSOSを出さない古賀くんに対する苛立ちと、自分が役に立ってあげられない不甲斐なさを感じていたからじゃないか…と思うんだ」
「俺、ずっと生意気だって思われて…嫌われているのかと思ってて……」
「生意気かぁ。 う~ん…、口では『1年坊主にこき使われる』とか言ってるけど、本心ではそうは思っていないんじゃないかな…」
森さんの口調は穏やかで柔らかい。
「今日、城戸くんの機嫌がよかったのがその証拠だと思うけどね」
「城戸くんは、結構熱いよ。体育会系だからね。苦境を仲間で乗り切ったりするの大好きだし。頼られるとほっとけないの。 今日は古賀くんがやっと頼ってきてくれたから、嬉しかったんじゃないのかな。 城戸くんは、認めてる人への協力は惜しまないよ。それは年下だろうと関係なくね」
城戸さんが俺を認めてくれている。と言ってもらえるコトが…、森さんがそんな話をしてくれるコトが、とても嬉しい。
「城戸くんは潔い。 そんなところは、すごく憧れる…」
森さんは、城戸さんが出ていったドアの方へと視線を流す。
「俺は、森さんもすごいヒトだと思ってます!」
思ったことを素直に口にした。
「やだな。 僕はそんなんじゃないよ……」
「本当ですよ。憧れます!」
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