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悩める子羊36
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櫻木さんの言葉はキツイけど、言っていることは間違っていない。
確かに、局長を引き受けたのは俺の意志だった。
だから…森さんは何も悪くナイ。
悪いのは……こんなにも大変なポストを安請け合いしてしまった自分自身だ。
「森も城戸も、古賀君を局長と認めている」
櫻木さんの言葉に、二人が頷く。
「周防も生徒会のメンバーだって認めている。 そして僕も…君が辞めるのはとても惜しいと思う」
「…………」
こんな風に引き留めてもらえるとは、思ってもいなかった。
そして何よりも、それぞれが俺のコトを認めてくれていることが…嬉しい。
「お前等さぁ、なんの話してるんだよ。 佐久也のことについては保留! くだらない事しゃべってる暇があるなら、印刷室の使用許可取ってあるから、あがった原稿から印刷に回して。 本部委員長は明日の放課後、本部委員と各クラス委員に招集かけて製本の手伝い依頼してくれ!」
いつもヘラヘラしている高良が、めずらしく真面目に陣頭指揮を執り、テキパキと仕事をこなし指示を出す。
その様子に、不思議と生徒会室内の空気が引き締まる。
『くだらない事』か……。
高良にとっては、俺のことなんてその程度なんだ…。
そう思うと、なぜか気持ちが沈んだ。
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