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子羊の決断2
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「僕は…辞めてほしくないって、思っているよ。 局長は仕事量が多くて大変だよ。でもね、だからみんなのバックアップが必要で…助けてもらえる。大変だけど、仲間の大切さが一番実感できる役職だと思う。今回は古賀くんの個人プレーでほとんどが進んでしまったけど…。本当は手を出したくって、ウズウズしてた人が結構居たと思うよ。相庭くんはともかく……周防くんなんて気になって胃に穴が開きそうだった…ってよ。 櫻木くんだって……口ではキツイ事言うけど、身内が困っていたらほっとけないタイプだしね。書記に手が出せなかった分、今回は統括長の幹くんが、かなりしごかれていたみたいだよ」
言いながら、森さんは愉快そうに笑っている。
「そうなんですか? じゃぁ…俺、幹にも申し訳ないことしちゃったんですね……」
「俺がどうかした?」
後ろから、幹が俺と森さんの会話に割って入る。
「幹くんも総会準備は大変だったんでしょ? 櫻木くんが厳しかったらしいね…」
森さんの言葉に、幹が爽やかに答える。
「綾世さんが厳しいのはいつもの事ですから、全然平気っす! 俺としては、手取り足取り個人授業で、実はすっごく嬉しかったりしてぇ…」
「なにが個人授業だよ……」
「うわぁぁ。 綾世さん!」
いつの間に現れたのか、櫻木さんが腕を組み、幹のすぐ横に立っていた。
表情では判りにくいけど、口調がめずらしく苛立っているように感じる。
「颯斗…。油売ってる場合じゃないだろ。 直前に運動部の予算決議内容を僕に確認することを忘れるな!って…言ったよね?」
「あっ!そういえば…。言われたような……言われてないような……」
「『言われたような…』じゃない!確かにそう言った! この耳は飾りか? それとも節穴か!?」
櫻木さんが幹の耳をグイグイ引っ張り、俺たちの所から連れ去って行く。
「綾世さん。 痛い!痛いッス!!」
言ってる割には、嬉しそうだ。
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