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子羊の決断6
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「過ぎた事はもぅ仕方がないだろ。 高校生活なんて『あっ!』と言う間だぞ。立ち止まってる時間がもったいないっ! 辞めちまったら、その先なんて何も無い。前だけ向いてればいいんだよ! 前進あるのみっ!!」
なんて…。
なんて、どこまでもポジティブ・シンキング なんだ……。
「ま~だ、なんかくだらない事を悩んでるだ ろ~?」
「うっ…」
くだらナイって言うなっ!
俺は高良と 違ってデリケートなんだよ!!
…って、心の中で反論。
「じゃぁ、悩まなくなる”おまじい”をしてあげよう」
「おまじない…?」
「そう! 騙されたと思って目を閉じて」
俺は素直に従い、目をつむる。
高良が覆いかぶさる気配を感じる。
優しくハグされた。
「なんか……懐かしい」
「うん。 思い出すだろ? まだ、すんごいガキだった頃…由香さんがよくしてくれてた”おまじない”」
ケンカした時には、仲直りが出来るように。
悲しい時には、楽しいことが起こるように。
悪いことをして怒られたら、ちゃんと素直に 謝ることが出来るように。
その時々によって内容は違うけど、何にでも 万能な”おまじない”だった。
こうやって、母さんがよく俺たちのことを抱きしめてくれたっけ…。
そうすると、不思議と何でもその通りにコトが好転するような気がしてた。
子供の頃のように…ゆっくりと高良の背中に腕を回す。
懐かしい……。
とっても落ち着く。
そう感慨にひたっていたら……柔らかい生ぬるいモノがおでこに押し付けられた。
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