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子羊の決断12
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「会長ーー!緞帳上げます!」
係りの役員が高良に声を掛ける。
「あぁ!」
応えた高良は、一度大きく深呼吸した。
「佐久也っ! 前だけ見てろ。俺らが行くのは前進あるのみっ!!」
それは、高良自身が自分に言い聞かせているようにも聞こえる。
ニヤリと笑い。
高良はステージへの階段を一気に駆け登った。
その背中を見上げ見送る俺の頭を、周防さんが大きな手で一撫でして横をすり抜け、高良に続く。
櫻木さんも、東條さんも、幹も、俺に軽くボディタッチをしてステージへと向かって行った。
「さぁ、僕たちも行こうっ!」
森さんと城戸さんが、両脇から俺の腕を取引っ張る。
「”今”出来る事をしっかりやってやろうじゃないかっ!」
「はいっ!!」
俺たちは、暗い舞台裏から眩しいステージへの階段を一気に駆け上がった。
俺は前だけを見る。
その先にあるのは…………
いつも、高良の姿だ。
自分自身に言い聞かせる。
立ち止まらずに、前に進もう……。
今はただ……………
『前進あるのみっ!』
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