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**『好き』の重さ**高良side 2
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佐久也の身長は現在169㎝。
170㎝の壁を越えたいと、最近よく口にする。
「佐久ちゃんは食う割には伸び悩んでるなぁ~。 “痩せの大食い”ならぬ“チビの大食い”!」
「うるさよっ!バカ高良!!」
佐久也が俺を鋭い目で睨み、周防はその様子を楽しんでいる。
「隙ありっ!から揚げも~らいっ!!」
俺の皿から、トリのから揚げが1個さらわれた。
佐久也は大きなトリからを、一口で口の中に押し込む。
そのせいで頬っぺたがパンパンだ。
どんぐり詰めすぎたリスみたいになってるぞ……。
「ヒド~イ!佐久ちゃん…うちの子を返してよっ!」
大げさに手のひらで顔を覆い、泣き真似をする。
「だっふぇ、ほはひははひはんはほ~ん!」
言えてねぇし…。
佐久也は悪びれるどころか開き直る。
「そりゃぁ、俺もだろ!?」
俺たちのやり取りに、周防が噴き出した。
「相庭…。 今、古賀が言ったことわかったのか?」
「えっ? 当然じゃん! 佐久ちゃんは今『だって、育ち盛りだも~ん!』って言ったんだよ」
「すごいな…」
やっとでまともにしゃべれるくらいにトリからを租借して、佐久也が言う。
「高良は175cm以上あるじゃん。それ以上育たなくってもいいよ…」
そして、悔しそうに唇を尖らす。
今度はまるでアヒルの子みたいだ…。
クルクルとよく変わる豊な表情が愛らしい。
「勝手に決めるなよな!」
佐久也は俺よりも1学年下だけれど、小さい頃から何かと張り合おうと頑張る。
だから俺は、誰よりも佐久也の前に立つために何事も常に上を目指した。
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