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**『好き』の重さ**高良side 3
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元来負けず嫌いで努力家の佐久也は、面白いように俺の後ろを必死に着いて来た。
そんな佐久也でも、身長だけは頑張っても追いつけないどころか、どんどん差を広げられてしまっていて悔しい思いをしているのだろう。
「小さい頃から、ほとんど俺と同じもん食ってんのになぁ…」
佐久也がため息混じりで言う。
「なに?そんなにいつも一緒だったのか?」
周防が微笑みながら佐久也に尋ねた。
「高良ん家は…その……。 おばさんが忙しかったから、相庭姉弟はほとんど俺の家で過ごしてたんですよ。 だから食事もいつも一緒」
そうだ、中学まで…。
俺が高校に進学して寮に入るまでは、ほとんどの時間を一緒に過ごしていた。
「俺ら姉弟は由香さんに育ててもらったようなもんだからな…」
「でもさ…。カレーだけは相庭家に食べに行ってたよなぁ~」
佐久也の目が一瞬輝く。
「スパイスで作ったオバちゃんのカレーライ スは絶品なんだよね~」
まるで今、目の前にそのカレーライスがあるかのようなホクホクの笑顔。
「2日目の…だろ?」
「うん!」
嬉しそうだ。
確かに、最初は旨いのだ…だがっ!
「佐久ちゃんは2日目しか来なかったもんなぁ~。 だがな…オレら姉弟は、なくなるまで…下手すると3食とも食わされるんだぞ! 俺がカレーが旨いと思うのは、次の日の朝までだ。 あとは地獄……」
「そう言えば、カレーがある間は自分の家でご飯食べてたよね……」
「そうだよ。 由香さんが『お母さんが作ってくれる時はお家で食べなさい』とか、言うからさ…」
「うん。 あれは、母さんも気を遣ってたんだと思うよ…。 だって2日目の夜くらいから…『まだカレーなくならないかしら……』ってのが、口癖だったモン。 だから2日目は、俺が様子を見に相庭家の食卓にお邪魔してたの」
「佐久ちゃんが必ず2日目のカレーを食べに来てたのって…そんな理由があったのか?」
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