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子羊の企み 1
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「はぁ~い! 皆の衆、ご苦労っ!!」
会議を終え、やっとひと息。
と、いう時になって、いつものように生徒会室に“スーパー社長出勤”で高良がやって来た。
「遅いっ! 今日が体育祭の競技種目を決定する会議だって知ってただろう? なんで間に合うように来ないんだよ!」
いくら外交担当といえど、やっぱりちゃんとした会議に会長が不在というのは、よろしくないのではないか…!?と、つい言いたくなってしまうのだ。
季節はスポーツの秋。
御多分にもれず、聖藍学園高等部も、もうすぐ体育祭が行なわれる。
今はその準備段階。
聖藍高等部の体育祭は、競技種目の半分はいつもの定番競技で、あとの半分は生徒が提案企画する競技になっている。
今は、各クラスからの提案を厳選する段階なのだ。
「そんなのは、俺が居なくてもどうにでもなるだろ…佐久ちゃん、口煩い……。そんなことより、いいものGETして来たぞ!」
くっ…口煩いって!
一応、俺は高良の会長としての立場を心配てやってるのに!
高良は右手に持つ、お札程度の大きさの紙をヒラヒラと見せた。
「なにソレ?」
「当たりの宝くじ! 100万円也~」
それまで俺たちの会話に興味を示していなかった生徒会メンバーが、一斉に高良に注目する。
なんだよ。
みんな、ゲンキン……。
「宝くじって…でもそれ、コピーじゃん……」
そう、高良が手にする紙は白い紙に片面だけ宝くじがコピーされているのだ。
「本物は理事長預かり!」
「じゃぁ、出所は理事長?」
周防さんが確認する。
「そう! 他のスポンサーがいろいろ提供しくれてるんだから、理事長もなんか出してくれって交渉した」
「まさか理事長室に…?」
「うん。 あそこに行くのが手っとり早い」
「そうやって直接乗り込んじゃう、有り得ない行動が……流石、相庭だよね…」
櫻木さんは相変わらず抑揚はナイけど、呆れ気味なのはわかる。
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