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ヒマワリ 5
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「ちょっと、高良! ホントに、溶けちゃうよ~」
『知らない!』とか言いつつも…やっぱり気にしてくれているところがかわいい奴。
「高良ってば!!」
痺れを切らして再び俺の所までやって来た佐久也が、顔を覗き込む。
俺は、俺の太陽に最高の笑顔を向ける。
「顔、赤いっ!」
言って、佐久也が俺のデコに手を当てる。
あぁ…具合が悪いの、見破られたか……。
実は、随分前からクラクラしている。
自力では起き上がれないのだ。
「ゲッ。 高良、熱中症じゃないの!? ヤバイって!」
あぁ…佐久ちゃんの手、やっぱりヒンヤリしていて気持ちがいい。
俺は、笑顔を貼り付けたまま言う。
「うっ、動けん……」
「具合が悪い時までニヤニヤしてるなよ! バカ高良!!」
そう言って、佐久也は俺を引きずってリビングまで連れて行く。
ひきずられながら、庭のヒマワリを見る。
俺は、つらい時や苦しい時でも、佐久也の前でなんでもない風で笑っているくらいのことは全然平気だ。
でも…俺の太陽は、結構スルドイ。
俺はヒマワリ達の太陽に焼かれ、俺の太陽の腕の中で意識を手放した。
『ヒマワリ』END
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