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夏の終わり 1
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☆『ヒマワリ』の後。夏休み、後半のお話。
*****
もうすぐ、夏が終わる。
「高良、早く電気消して!始まっちゃうよ! あっ、ポテチ下のリビングに忘れて来た。取ってきて!」
俺たちの町の花火大会は、お盆も開けた夏休みの後半に開催される。
人混みが嫌で。
去年、花火がよく見える俺の部屋でクーラーを効かせ、お菓子を食べながら観賞したのが、思いの外、佐久也に好評で、今年もここでの花火観賞をすることになった。
「はぁ~? やだよ!忘れて来たの佐久ちゃんだろ!? お前が取って来い!」
「え~~~~。 じゃぁ、ジャンケン!」
俺が取って来なきゃならないのは納得いかないが、受けて立つ。
「よ~し!最初はグー、だぞ」
「いいぜ、よ~し!」
せ~の!で構える。
「さ~いしょ~は、グー!」
「さ~いしょ~は、パ~ァ」
当然のように、佐久也のグーにパーを出す。
「高良、きったね~」
「佐久ちゃんの素直なとこ、俺大好きだぜ!」
「うるさいよ。 バカ高良!」
「急がないと、始まっちゃうぞ」
ニヤリと笑う俺に捨てゼリフを残し、佐久也が慌てて部屋を出て行く。
窓の外を、ふと見やる。
子供の頃から大して代わり映えのない景色。
視線の端に、見慣れない看板のネオンが見えた。
立ち上がって、窓の外をのぞき込む。
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