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夏の終わり 2
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「あんなの、あったっけ…?」
「あれね、スーパーが出来たんだよ。 24時間のヤツ」
戻ってきた佐久也が、俺の独り言に答える。
夏休みの間、ほとんど寝るだけのためにしか部屋に居なかったから、気が付かなかった。
俺がここで過ごしていた3月までは、あんな光はなかった…。
たった3・4ヶ月。
知らないうちに、変わっていくな…。
「どったの?」
俺の感傷をよそに、すでにBIGサイズのポテチを開けて食べながら、窓と俺の隙間に滑り込んでくる。
「あっ!」
闇の中に、大輪の花が咲く。
その後に、腹に響く低い爆音が遠くに響く。
「た~まや~!」
佐久也が小さく叫んだ。
俺は佐久也の頭を見下ろしながら、ボソリ。
「佐久ちゃんは、変わらないな…うっ!」
言い終わるか終わらないかのタイミングで、みぞおちに佐久也の肘鉄を喰らった。
「な…なんでだよ……」
「だって、成長がナイって言った!」
そう言う意味ではなかったのだけれど…。
「だって、相変わらずチビだろ。 悔しかったら追い越してみろよ」
売り言葉に、買い言葉だ。
「うっ…。 いいもん!食って、でかくなってやる! じゃあ、チョコ食~べよっ」
「おいおい、ただでさえ食い過ぎなのに、まだ食うのかよ。 だいたいチョコなんかじゃ、縦じゃなく横に育つぞ!」
「うるさいで~す。 静かにしてくださ~い! 花火に集中できませ~ん」
口を尖らせ、佐久也が床に座った。
…お前、集中なんてしないだろ。
だって完全に、花より団子の態勢だ。
俺も、佐久也の横に並んで座った。
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