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夏の終わり 3
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花火も後半。
佐久也も食べる手を止めて、静かに見ている…と、思いきや…。
俺にもたれ掛かり、体を預けてきた。
「佐久ちゃん?」
スースーと、静かな寝息をたてていた。
「おいおい、”食っちゃ寝”かよ…牛になるぞ」
スヤスヤ眠る佐久也に、そっと話しかける。
光が花開く度、真っ暗な部屋にもわずかな明かりが入り、一瞬一瞬二人の陰が浮かび上がる。
俺に身を預ている佐久也。
2つの陰が寄り添って、1つになり、部屋の中に長く延びる。
「仕方ないか…。 佐久ちゃん、お疲れだもんな」
俺が帰省している夏休みの間、受験生の佐久也は、朝は早くに起床して自分で決めたノルマをこなし、昼間は俺と命一杯遊び、その合間合間にも英文の記憶や応用問題を解き、夜はまた遅くまで机に向かっている。
毎日フル稼働で、寝不足だろう。
そりゃぁ、暗い所に居たら眠たくもなるか…。
佐久也を起こさないように、そっとベットに運ぶ。
シングルのパイプベット。
昔は二人で並んで寝ても余裕だったのに、今では佐久也が大の字で転がると、俺が寝るスペースなんて無い。
花火は終盤。
最後の乱れ打ちだ。
佐久也の邪気のない寝顔が、闇に浮かび上がる。
俺は、そっと耳に唇を寄せ囁く。
「佐久也…」
「う~~ん…」
佐久也は、小さく呻いて背を向ける。
俺はそのまま佐久也の髪に顔を埋め、襟首に唇を押し当てる。
髪の毛で隠れて見えない、首筋。
キスをして強く吸う。
唇を離すと、赤い痣が出来た。
キスマーク。
佐久也が俺のものだという、印。
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