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サクラ、サク?! 1
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【佐久也・高校受験の朝】
*佐久也side*
*****
「行ってきま~す…」
玄関から一歩外に踏み出し、外の冷気に肩を竦める。
冬の真っ只中。
この辺りは、雪が降ってもめったに積もることは無い。
温暖な地域でも、やっぱり冬の寒さはキライ。
寒いのは苦手。
手にした受験票を見て、大きく白い息を吐いた。
今日は、高校の受験日だ。
中学校まで普通の公立中学校に通ってきた佐久也にとって、初めての受験。
そして、目指すは難関「聖藍学園高等科」。
緊張する……。
「よぅ、受験生!」
不意に声を掛けられる。
この声は確認するまでもない、幼馴染の高良だ。
「……なんだよ、何しに来たんだよ!」
振り向きもせず歩き出し、足も止めずに言ってやった。
なのに、気にする風もなく、ひょいと隣に並ぶと歩幅を合わせながら歩き、両手を上げて伸びをしながら……
「後輩候補を激励しになっ!」と、言った。
思わず、佐久也の口から大きな声が出る。
「よく言うよ!母さん焚きつけて、高良と同じ高校受けるように仕向けたくせにっ!!」
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