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サクラ、サク?! 2
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そうなのだ、高良は『聖藍は超進学校のエリート校だけど、佐久也だったら合格間違いなし!』とか、『聖藍に入学すれば将来は約束されているようなもの!』だとか、いんちき臭い宗教の勧誘みたいな台詞で、母さんをその気にさせてしまったのだ。
「へぇ、じゃぁ他に、受けたい高校あったんだ?」
こいつは、いつもいちいち痛いところを突いてくる 。
「どうせ、佐久ちゃんのこったから、聖藍に行きたいのに『私立はお金が掛かるから…』とか、『聖藍は遠いから、寮に入ると親がさびしいだろう…』な~んて、アホみたいこと考えて、遠慮して言い出せずにいたんじゃないのか?」
「…………」
アホって…。
でも、図星なだけに何も言えない…。
確かに、他に聖藍ほど行きたいと思う高校が在るというワケではない。
むしろ、聖藍は第一希望だ。
ただ…お坊ちゃま校としても有名な私立校であるため、学費もかなり掛かるだろう。
子供心に親の負担を考えると、どう切り出していいか悩んでいた。
それが、高良の言葉によって、当たり前の様にすんなりとその方向に、話が流れていってしまったのだ。
「佐久也は一人っ子なんだから、甘えっちまえばいいんだよ。エリートコースに乗っかるんだ、お前から言い出していたとしても、おじさんと由香さんは、大喜びで賛成してくれたさ」
そうかもしれない……いや、きっとそうだっただろう…。
でも、やっぱり自分からはちょっと言い出しにくかったのだ。
だから、本当は高良には感謝している。
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