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サクラ、サク?! 3
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「俺の時なんか、姉貴が地元の公立進学校なんかに行ってるせいで、親を説得するの大変だったんだぞ」
知っている。
去年相庭家は、高良の受験校をめぐって相当揉めていた。
地元の公立進学高校の教師をしている高良の母親は、我が子に対しては『わざわざ遠くの私学に、高い授業料を払ってまで行く必要はない』という考えの持ち主だった。
でも結局は、高良が『出世払いしてやらぁ!』とタンカを切って押し切り、今に至っているのだ。
大変な思いをして聖藍学園に合格した経緯があるだけに、佐久也がすんなりと希望校に行けるように仕向けてくれたのだろう。
それは高良の気遣いであり、優しさだと解かっている。
解っているけど……素直になれない…。
「もぅ!高良はごちゃごちゃうるさいなぁ。 落ちてやる!」
いつも、ついつい出る言葉は憎まれ口。
「おいおい、落ちる気で受けるなよ。でも、それはどうかな? 俺様のお陰で中学では生徒会役員だったし、成績も上々、何よりも先生受け抜群なんだ。内申だけでも十分合格点だろうな。 まぁ、佐久ちゃんが白紙答案出すとか、マジで受験放棄するのなら別だけど…? それは、ありえないだろうから!」
「…………」
こいつ、世の中舐めてる…楽天的過ぎる。
十分合格なんて、言い切れないだろ……。
そんなコトは、結果が出るまで何があるかわからないジャン…。
それが受験だろう。
高良がニヤリと笑う。
垂れた目が、さらに垂れ下がる。
その顔が憎らしい。
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