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サクラ、サク?! 5
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「いちいち“俺”に“様”付けんな!お前はジャイ○ンかッ」
いつものことながら、ハメられてしまった腹いせに 、どうでもいいことで突っかかってみたのだが「 へぃへぃ」の一言でかわされてしまった。
そして高良はおもむろに、佐久也の前にコンビニの袋を差し出す。
「これ、やるわ。 まぁ佐久ちゃんなら、大丈夫だよ!」
受け取った袋はほかほかと暖かく、いいにおいがした。
「何なんだよ、これは!」
「『腹が減っては、戦は出来ぬ』ってね。 でも俺、小心者の佐久ちゃん大好きだけどな~」
「人のこと『小心者、小心者』って、言うな!」
高良は無言でくるりと背を向け肩をすくめ、「じゃあな!」と軽く手を上げ小走りに今来た道を引き返して行った。
なんなんだ…あいつは何しに来たんだ!?
袋を覗くと、さらに小さい袋が入っている。
ホカホカの暖かい食欲をそそる匂い。
それを開けると思わず噴き出す。
「ピザまん……2つ…」
ピザまんは佐久也の大好物なのだが、ただのピザまんではなかった。
赤字で『合格』と書かれているのだ。
「高良の奴…」
その時、緊張のあまりに朝ごはんをまともに食べられず、空腹なことに初めて気が付いた。
見抜かれてるよ…小心者かぁ。
佐久也は頭を掻いて小さく笑う。
そして振り向き、遠のく背中に向かって叫んだ 。
「お茶もつけろよ。気が利かないな、バカ高良!! 」
高良はナニも答えず、大きく手を振って行ってしまった。
いつしか、佐久也の緊張も吹き飛んでいた。
『サクラ、サク?!』 END
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