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サクラ、サケ!! 5
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本当に、佐久也なら俺について来るって信じている 。
右手に下げていた、本来の目的であるコンビニ袋を差し出す。
「何なんだよ、これは!」
佐久也は文句を言いながらもしっかり受け取った。
中身は佐久也の好物、ピザまん。
実は、昨日から近所のコンビニに時間指定でわざわざ予約を入れ、朝早くから自転車を飛ばして買って来た代物だ。
しかも、高良が赤字でデカデカと『合格』と書いた “特製合格ピザまん”である。
「『腹が減っては、戦は出来ぬ』ってね。 でも、小心者の佐久ちゃんも大好きだけどな~」
「人のこと『小心者、小心者』って言うな!」
佐久也はデリケートなので、おそらく朝飯もまともに喉を通らなかったはずだ。
さて、これで今朝早起きした目的は達成した。
駅まで付いて行く気はないので、方向転換する。
中身を確認した佐久也が後ろから叫ぶ。
「お茶もつけろよ。気が利かないな、バカ高良!! 」
それだけ悪態を吐ければ、緊張も和らいでいることだろう。
俺は答えず、大きく手を上げる。
『頑張れ、佐久也!』と思いを込めて。
「さぁ、帰って寝るかぁー」
そして、大きなあくびをした。
「ところで、マジックのインクって食っても平気なのかな?」
こんな呟き、佐久也は知る由もない。
『サクラ、サケ!!』END
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