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僕の名前。 6
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「宝くじが当たって、一生楽して幸せに暮らせますように~って、意味もあるんだっけ?」
「……………」
「もしさぁ、億万長者になったら俺にもちょっと分けてよね~♪」
言いながら、ご機嫌で引き出しを漁っている。
「よしっ! 一生、囲ってやる!!」
「げっ! 一生、こき使われそうじゃん!!」
「じゃぁ、躰と引き替えで分けてやろう!」
俺はイスに座る佐久也の首筋に、舌を這わせた。
「うわぁぁあ、ちょっ…朝からやめろってば!」
佐久也は俺の攻撃を阻止しようと首を両手で覆い、少し後ろを振り向いて、軽く睨む。
「じゃぁ、朝じゃなければいいんだ?」
そっと耳元に囁く。
「えっ…あっ……と…」
佐久也は慌てたように視線を逸らし、前を向く。
「あ、朝でも……別にいい…けど……」
小さくそう言って俯いた佐久也は、耳まで真っ赤になってしまっている。
本当に……なんて素直なんだろう……可愛い過ぎだ。
俺は、沢山の宝物なんていらない。
ただ一つ。
俺にとって、大切な宝物は佐久也だけだ。
後ろからそっと抱きすくめる。
一瞬、躰を固くした佐久也は、すぐに力を抜き俺に身を委ねた。
一生。
俺は、この宝物を大切にする。
そして、手放したりは絶対にしない。
そう誓って、俺は腕の中の佐久也に口づけた。
『僕の名前。』END
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