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サンタに願いを☆ 11
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「高ちゃんは佐久ちゃんの部屋で寝せてあげて。ハルちゃんはお母さんとね。お父さんはソファでそのまま寝てもらいましょう。後で掛け布団持って来るから」
「「は~い」」
片付けを済ませ、お風呂に入った。
高良と父さんは相変わらず、泥酔爆睡中。
「佐久ちゃん、高良の事よろしくね」
お風呂に向かう遥ネェに、ヨロシクされる。
「了解!」
なんだかんだ言っても、やっぱり遥ネェはお姉さんだよね。
さて、2階の自室へ向かう前に…。
キッチンのお菓子をスットクしてある棚から、コンビニで買ったソフトキャンディを取り出す。
それを手にツリーへ向かう。
高良が飾った、小さな長靴。
ポケットサイズのソフトキャンディを縦に一本差し込むと、頭が少し飛び出すほどの大きさ。
俺がこうするようになって、もぅ何年目になるだろう。
高良が『サンタクロースなんて居ないんだ!』って言い出した時、『ちゃんと居るもん!高良のバカ!!』って大喧嘩になって・・・。
その時、俺はすっごくショックだった。
けど、そう言う高良にサンタは居るんだって証明しようとして、ツリーのオーナメントだったこの小さな長靴に、当時高良が大好きだったお菓子を詰めた。
翌朝、起きて来た高良に『サンタが高良に置いていったんだよ!』って言うと、高良は『すっげーっ!本当に居るんだな』って、すっごく喜んだ。
今思えば、喧嘩して俺を泣かせてしまった事を悪いと思って、知っていながら俺に合わせてくれていたのだろうと思う。
そんな風に、高良が喜んでくれたのが嬉しくって、俺は毎年その時と同じソフトキャンディを長靴に詰めている。
サンタが架空の人だと知っている今でも続行中。
そして、もちろんサンタの存在をあの頃からこれっぽちも信じていない高良は、俺に付き合ってくれている。
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