アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
*日 常* 1
-
※こちらは、本編『迷える子羊』2部、「にごり」を読了後にお読み頂くことを推奨致します。
☆宝生司☆高1の春☆
*********
日差しが柔らかな、風薫る4月の朝。
入学式から約2週間。新入生もすっかり学園に馴染み穏やかな日々が流れていた。
聖藍学園高等科、1年2組の教室で窓際の最前列の席で頬杖を着き、開け放たれた窓からそよぎ込む風を感じながらまどろむ。
退屈な日常。
宝生司(ホウショウツカサ)にとって、今日も変化のない1日が始まる。
四国から海を超え、西日本に位置するこの学園をわざわざ選んで進学した。
それは、聖藍が優秀な人間が集う名門校であり自分がそれに該当するから。とか、水準の高い教育をよりよい環境で受けることが出来、進学に有利だから。とか、そんな理由ではない。
ただ、自宅から通うことが出来なくて、誰も進学に反対できないくらいハードルの高い名門校であること。
そして、何よりもそこに集う人間が、自分のことを知らない人たちばかりであれば、なお良い。
と、言うことで、条件にビンゴだったのが聖藍学園だっただけ。
後は、フツーに高校生活が送れればいい。
普通の日常を繰り返し、3年間。
この3年間は敵を油断させるための準備期間なのだから……。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
48 / 66