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それぞれのマイウェイ 8
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「これだと、塚本さんのこともあまり気にしなくていいしさ!」
「…うん。でも、せっかく毎日モーニングコールしてくれるんだったら……。佐久ちゃん…好きだよ」
「はっ?!」
突然の脈絡ない俺の囁きに、佐久也は顔を赤くした。
「う~ん…お目覚めのキスしてくんなきゃ起きらんないなぁ」
「えっ!? ちょっ…」
「はい佐久ちゃん、チューは?」
わざと『チュッ』っと通話口でリップ音を鳴らす。
「バ…バッカじゃないの!恥ずかしいだろ!!」
そう叫んで、佐久也はさっさと通話を切りって携帯をポケットにしまった。
たかだか携帯を介してのフザけた要求。
しかも寮室には二人きりだというのに、今更テレフォンチュゥくらいで真っ赤になる佐久也の純粋さが堪らなく愛しい。
だから、余計にちょっかい出したくなったりして…。
「えーなにが?」
「だって…塚本さんに聞かれるじゃん!」
眉根を寄せ、困った顔で俺を見る。
真剣に考えちゃってるところがまた可愛いな。
「別に、佐久ちゃんの声聞かれるわけじゃないだろ」
佐久也と同室の一年には確実に聞かれるけどな……そこのところまでは頭が回ってないみたいだけど。
「…俺の声聞かれなくても、高良の話しの内容が恥ずかしいんだよ!」
「え~いいよ。塚本は無視で…」
本当に、俺は誰に佐久也との会話を聞かれてもいい…。
「無視できるほど、神経図太くないよ…」
むしろ俺たちの特別な関係がふざけたものではなく、本物だということが公然の秘密になってしまえばいいのにと思ったりする。
なんて…そんな厚顔さを佐久也は持ち合わせていないよな。
ここぞって時は度胸座ってんのに、佐久ちゃんは意外と小心者だから。
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