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それぞれのマイウェイ 9
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「ん~じゃぁやっぱ、佐久ちゃんが直接起こしに来るしかないなぁ」
「はぁ? …最近は毎日起こしに来てるだろ! あ…あぁ! じゃぁ、明日からあの目覚ましは無しでもいいじゃん!!」
佐久也は嬉しそうな顔をした。
でも…そうはさせない。
「いいぜ。 ただし”お目覚めのチュー”までセットな!」
「はぁ!? そんなの、もっと恥ずかしいだろ! 大体、表向き高良は”ブラコンのお兄ちゃん”設定なんだろ。弟は兄にお目覚めのキスなんてしませんっ!」
おぉっと…そう来ましたか。
でも、本当は最初からあの目覚まし時計をやめる気なんて更々無い。
「う~ん…じゃぁ今まで通り、佐久ちゃんの目覚ましとお迎えがないと起きるの無理!」
寮で佐久也と過ごすことが出来る時間は、もぅ1年もない。
だから電話一本のモーニングコールなんかで済まそうなんて、そんなの許せないぞ。
今まで通り幼い佐久也の声で起き、毎朝迎えに来る佐久也と直接言葉を交わし、触れ、少しでも多くの時間を一緒に過ごしたい。
来年からはどうしたって、それが叶わなくなるから…。
「えー…もぅしょうがないなぁ……」
佐久也は呆れ顔を向けるけれど、結局は俺の希望通りの展開になるんだ。
そこら辺は、ちゃっかり予測済み。
「さぁ、早く食堂行こうぜ!」
「なにが『早く』だよ! 誰のせいで毎回遅くなると思ってんの!?」
不満を口にしながらも、機嫌は良さそうだ。
佐久也の前を横切り先に戸口へ立ち、ドアノブに手を掛ける。
「高良!!」
不意に名前を呼ばれ、振り向く。
えっ!?
振り向いた俺の唇に、佐久也の唇が重なった。
俺は驚いて目を瞬かせる。
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