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それぞれのマイウェイ 11
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「はは…んじゃ、おじいちゃんはこれから隠居生活を満喫するか」
「な~に言ってんだか…。高良は前期も生徒会長で忙しくなるんだろ!それに、暢気なこと言ってると浪人生になっちゃうぞ!」
「う~ん…浪人して佐久ちゃんと一緒に受験ってのもいいかもな?」
なんて、ちょっと本気で思ったりして…。
「俺を浪人した時の言い訳にすんな!」
はは…。やっぱそう言うか…厳しいな。
「……それに…大学が同じとは限らないし」
佐久也がボソリと呟いた。
「…そうだな」
自分が言い出したことなのに、同意する俺の言葉に、佐久也は少し驚いた表情を見せた。
こればっかりは、高校と違って目指す先が違えば進路が同じというわけにはいかない。
進む先は分かれていて、それぞれが前へ進まなくてはならないんだ。
この高校生活の1年が、俺が佐久也の前を行く最後だ。
「…でもね、俺、高良と同じ関西圏の大学希望だから。そしたら、ルームシェアして家賃も半分ですむだろ?」
「え…?佐久ちゃん俺と一緒に住むの!?」
「ダメ? 高良が嫌なら…別にいいけどっ」
佐久也は俺に不満顔を向ける。
尖らせた口がアヒルみたいだ。
「嫌なわけないだろ! 大歓迎だ!! そっか…そりゃ2年後が待ちどうしいな」
本当に、待ちどうしい…。
来年から、俺は一人暮らしをするつもりではいた。
でも佐久也は…もしかしたら高校卒業後は地元の九州へ戻り、親元から大学へ通うのではないかと…なんとなく、そう思っていた。
「高良が関西の大学受かんなかったら、全ておじゃんなんだから! 頑張ってよ!!」
佐久也がそんなつもりでいるのならば、俺はそれを糧に受験など難なくクリア出来そうだ。
「佐久ちゃ~ん、俺様を誰だと思ってんだよ?」
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