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「お邪魔します」
人を馬鹿にする様な笑みを浮かべ、瀧澤は由良の部屋に入ってきた。
由良の母親がテーブルへアイスティーとケーキを置いて一礼して去って行く。
それを恭しく頭を下げて瀧澤は見送るとバタンと音を立てて部屋の扉を閉めた。
「いい部屋だな」
ドサっと音を立ててソファへ腰を下ろし、出されたアイスティーへ手を伸ばす瀧澤は自分を睨みつけてくる由良を可笑しそうに見上げた。
「神経おかしいんじゃないの?」
「これくらい図太くなきゃ、音楽家にはなれねーよ」
そうだろ?と、鼻で笑って瀧澤が流す。
そんな彼の余裕さが癪に触り、由良はイライラする感情を閉じ込めるように腕を組んで行き場のない所在に壁へ背をもたれさせた。
「厚かましいにも程がある。突然家へ来る奴がいるか?」
「お前の電話番号を知らなくてな。アポが取れなかった」
「一週間前に初めて言葉を交わした人間に教えるほどフレンドリーじゃない」
「……そりゃそうか」
ククッと、喉の奥で笑う瀧澤は馬鹿にしてるのか本当に可笑しくて笑っているのか、由良には分からなかった。
「一週間前に初めて話して、番号すら知らないただのクラスメイトの家へよくのこのこと来れるね。それ飲んだら帰れ」
気分が悪いと、吐き捨てるように由良が告げるとアイスティーを一口飲んだ瀧澤が肩を竦めた。
「そんなに警戒するなよ。初めてのお宅訪問で母親もいる時に流石に襲ったりはしねーから」
「………」
なんの心配をしてるんだと、眉間に皺を寄せて睨みつける。だが、こんな威嚇は瀧澤に通用しないらしく、逆に手招きして呼び寄せられた。
「こっち座れよ」
「嫌だ」
「ビビってんの?」
「嫌ってんだよ」
くだらない挑発をするなと、由良が言うと、瀧澤は長い足と腕をゆっくりと組む。
「……本当に綺麗だな」
頭のてっぺんから足の先まで値踏みするように見つめられ、由良は嫌悪感を抱いた。
「こっちに来い」
短い威圧感のある命令に由良のプライドが刺激された。
「何様のつもりだ。ふざけるな」
喧嘩口調で荒々しく吐き捨てると、瀧澤は面白いとゆったり微笑んでソファに背をもたれさせた。
「3分以内に来なければ、お前を抱く」
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