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駆け引き
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「れーいー君♡」
辺り一面ピンクのここは遊び人がいつも使っているラブホテル。
そこにはシャワーを済ませたモデル張りに顔とスタイルが良い女が下着姿で湿らせた髪を色っぽく掻き上げ、ベッドに横たわる瀧澤へ抱きついた。
事後を済ませ、甘いひと時を強請る女に瀧澤は鬱陶しくも抱きしめてやる。
「何浮かない顔してるの?」
OLをしてる女からは余裕のある大人の香りが漂う。因みに瀧澤の大勢いる内のセフレの一人だ。
彼女もそれは熟知していた。
「別に」
携帯電話をずっと嫌そうに見つめ続ける瀧澤からは別にという言葉は不釣り合いで、女は小さく笑った。
「本命から連絡来なくて拗ねてるの?」
瀧澤は何十人もいるセフレに好きな奴が出来たと周りの整理を由良の為にした。
だが、それでも構わないという者が意外にも多勢いたのだ。
瀧澤はそういう者達は割り切った関係とみなし、側に残すことにした。彼女もまた残った一人で、由良の事は認知済みだった。
「連絡来るも来ないも、番号知らねーし」
手に持っていた携帯電話を苛立ち気に投げ捨て、彼女を組み敷くと、女は目を丸くして声を出して笑った。
「えー!もしかして、フラれたの⁉︎」
その言葉に瀧澤のプライドがグサリと傷付く。
「………お前なぁ〜」
黙れと首筋へ歯を立てると、女は面白いと瀧澤の背へ腕を回した。
「なに、なに〜?礼君振るとか、凄い子じゃん!」
「別に凄くねーし。つーか、本当に好きなのか分かんなくなったからどうでもいい」
「え?」
瀧澤の意味深な言葉に女は目を瞬かせた。
「好きじゃないの?」
「多分な。俺が思ってたような奴じゃなかったんだ」
「……で?」
首筋から胸元へと顔を移動させようとする瀧澤を女は首を傾げて瀧澤を見た。
瀧澤は鬱陶しそうに顔を上げ、苛立ったように聞く。
「何だよ。別にどうでもいいだろ?」
由良の事を思うと無性に腹が立って仕方がない。
出来るだけ考えないようにしているだけに、話題に出されると不愉快だった。
「どうでも良くないよ。気になるじゃん!すっごいタイプなんでしょ?」
「顔がな。でも、中身は知らん」
もうこの話はやめようと、女の腰を抱き寄せると、女は瀧澤の胸元を押し返した。
「何それ?中身はこれからじゃない。好みじゃないなら礼君好みに変えちゃいなさいよ」
「はぁ?」
「振られて意固地になってんの?」
煽るような言葉の数々に瀧澤はヤル気が失せてきて、女の上から退いた。
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