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貴方に辿り着けないままで
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数日前にデートの約束をした。
待ち合わせは午後一時にいつもの時計塔の前。
今の時刻は午後三時。
待ち合わせは二時間も前の一時。
無理矢理な感じで約束をしてしまったことを今更後悔してしまう。時間は巻き戻せないことは知ってるのに。
曖昧に答えたおそ松も、もう来ないことは知っている。きっとそれがあいつの答えなのだから。
その時、おそ松が見えた。あいつは三男のチョロ松と「手を繋いでいた」。
街ゆく人も、空を流れる雲も、おそ松のことを待っている自分のことを嘲笑っている気がした。
その事実を認めるのは簡単で。
でも認めてしまうのはとても困難で。
認められたら前に進めるはずなのは知ってるのに。
信じられなくて。でも、信じたくもなくて。
おそ松。お前の中で、俺はきっと「道化師」なんだろう?
心の中でおそ松に呟く。それがあいつに届くことの無いことは自分が1番知ってるはずなのに。
ずっとずっと回り続けてる。
回り過ぎて息が切れそうだ。
そう。これが俺の悲しい末路なんだ。
あいつにたどり着くことの出来ない、悲しい哀しい末路なんだ。
「貴方に辿り着けないままで」。
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