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商品 6
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〔???side〕
車の後部座席に座って、揺られながら流れる外の景色を見ていた。
なんで俺はここにいるんだろう?
”ゴミ箱”に入れられて処分されるはずだったのに、何故か新しい飼い主に引き取られている。
俺はまだ”商品”だったのかな…?
何を考えたって買われた事実は変わらないし、変わらないものはもう受け入れるしかない。
受け入れても受け入れなくても結局それは俺の意思と関係なく突然やってきて、突然消える。
”よかったですね、もう少しだけ長生きできそうですよ”
ゴミ箱から出される時、サクマさんに言われた言葉。
よかった、と言われても長生きすることがそんなにいい事なんだろうか。俺にはよくわからない。
昔から俺の人生は自分のものじゃなかった。
生きるのも死ぬのも、それを与えるのは全て人の手で。
今までもこれからもモノである俺に、考えることなんて全て無駄に思えて思考をやめた。
車が揺れて窓に頭が当たる。頭にできていた傷に当たって少し痛かった。
車はマンションの駐車場に入っていき、しばらくして動きが止まった。
運転席に座っていた飼い主が外へ出て、俺の横のドアを開ける。
「出ろ」
言われた通り車から降りようとするも、動きの遅い俺にしびれを切らしたのか胸ぐらを掴んで引きずり下ろされた。
段差を上手く降りられなくて地面で膝を打ったし、出入口のフレームに頭をぶつけた。ちょっと痛い。
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