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モノ 5
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そいつは常に自由で、何にも縛られない。
自由に生きているからこそ、誰よりも綺麗だった。
強烈に人を惹きつける麻薬のような奴。1度知ってしまえば、渇きがそれを求めて手放せなくなる。
「お兄さん車変えた?」
「いや、変えてねぇ」
「ふーん」
「どうした」
「ううん、なんでもないよ。家の前に車がとまってたからお兄さんのかなって思って。お隣さんのかな?」
「かもな」
マシロは寝る前によく「おやすみのチューでもしとく?」なんて冗談を言って笑う。
ベットにいるのに触られないのは何となく落ち着かない、と住みつき始めた頃に言っていた。
そんなことを言われようが手を出す気はないと言っているのに、よく懲りないなと毎回思う。
「ねぇ、チューしてよ」
「しねぇ」
「じゃあ僕からしていい?」
「いいわけねぇだろ」
「ふーん、じゃあ口にはしない」
「は?……おい」
いつもは俺がキスを拒めばすぐに引くのに、その日は何故かいつもよりしつこくて、首や頭に何度も口づけをしてきた。
煽るような目の奥に意識を吸い込まれて、気づけばマシロの頭を強引に引き寄せて唇を重ねていた。
そのままマシロの体をまさぐりながら押し倒すとあいつは満足気に笑ってた。
「ふふ、僕の勝ち」
次の日、目が覚めるとあいつはいなかった。
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