アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
名前 6
-
感情を失くしたつもりで実はまだ残ってるってこと?
そんなのありえない、そんなのあっちゃいけない。
だって、そうしないと俺は…………。
「だからその目をやめろって言ってんだろ」
“モノ“でなくなってしまう。
モノでいる方がずっとずっと楽なのに。
戻ってしまう、自分の感情に振り回されて苦しくてたまらなかったあの頃に。
感情なんてものがあるから苦しくなるんだ。
だから、棄てたのに。
ため息をついて睨んでくる飼い主から目を離すことが出来なかった。
怒ってる。言う通りにしないと。はやく目を逸らして、はやく……っ。
ガッと強く前髪を掴まれた。
「さっさと言う事聞けよ!!!」
ビクッと肩が跳ねた。
至近距離で溢れんばかりの憎悪をぶつけられて、勝手に指先が震える。
変だな、何で俺震えてるんだろ……怒鳴られるのなんて慣れてるのに。
自然と速くなっていく呼吸を悟られないように唇をキュッと引き結んだ。
「………、……っ…」
飼い主はそんな俺をしばらく見て、スッといつもの表情に戻った。
「………ん、ちゃんと怖がってるな」
ぇ……?怖がる………?なに、どういうこと……。
「それが“恐怖“だからな。忘れんなよ」
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
25 / 256