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名前 12
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あまりの遅さに耐えきれず、そいつの脇に手を入れるとガバッと持ち上げた。
「っ……!」
想像していたより何倍も軽くて、思いのほか勢いよく上げてしまい、急に視界が動いたそいつは驚いてガチガチに固まっていた。
「…………悪い、もっとゆっくり上げるつもりだったんだが」
身長も低ければ肉もないんだから軽いだろうとは思っていたけれど、小さな子供を抱き上げたような軽さに自分の感覚を疑いたくなる。
熱が下がったらちゃんとした飯食わさねぇと駄目だな。
固まって動かないそいつを前抱きで寝室まで運ぼうとしたが、
恐らく抱っこをされた経験がないであろうそいつは、脚を開くことなく上からぶらさがっただけの体勢になる。
いちいち教えるのも面倒で横抱きに変えて運んだ。
ベットに降ろして解熱剤を飲ませる。
本当は何か胃に入れた方がいいけれど、これ以上体力を使わせるのも良くない。
びっしょりかいている汗を拭いて新しい服を着替えさせる。
どちらにしろ大きすぎてワンピースのようになっているけれど。
そいつを布団に入らせて、寝るまで待とうかと考えていた時、手の甲に感触を感じた。
布団の上に置いていた俺の右手にそいつが指で触れていて、初めてこいつから触れられた事実に一瞬思考が停止する。
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