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記憶 23※
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なに、これ。
俺の比じゃない量の血が、女の子の周りに溢れる。
男の子が何かを叫んでいる気がする。声にならない声で叫んで。もしかしたら泣いているのかもしれない。
すべてがぼやけて聞こえる。
何もかもスローモーションで、自分の痛みなんかもう何も感じない。
………なんで…………?死ぬのは、俺だったんじゃないの……………………?
どうしてこの子が、動かなくなってるの……………。
「テメェのせいだ!!!テメェが殺した!!!!クソがックソッ!!!テメェら2人とも殺してやッ───」
「うるさいなぁ」
また血が舞う。
もうほとんど見えていないくせに、赤だけは鮮明に映る。
血の海に転がる2つの小さな体。
"テメェのせいだ!!!"
あの子の言葉だけが脳内に響き渡っていた。
俺のせい…………?
「どう?お手本を2回も見れたわけだけど。これを見た上で聞くね?君はどうしたい?」
…………おれ……おれは…。
「黙ったままじゃわかんないな。舌がまだあるうちに言った方がいいんじゃない?それともこっちの耳も落としちゃおうか」
ナイフで傷口をグリグリといじられる。
痛い、けど、痛くない。何も感じない。
「3、2、い……」
「………てない、何、も、い、いって………ない……」
「そう、それが正解。駄目だよ、人形以下のお前が"死にたい"なんて言ったら。お前は何も望んじゃいけない。モノに感情は必要ないんだから」
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