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温もり 2
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まだ幼児であろう時のものから最近の写真まであった。
顔に傷がないだけで本当にマシロとシロの見分けがつかなくなる。
内容に目を通すと、一行目に『由良 陽/ゆら ひなた』と書かれていた。
「由良陽?」
「チビちゃんの名前。出生届は出されてなかったから戸籍上は存在しない名前なんだけど、一応名前は付けてもらってたみたいだね」
どうやって戸籍のない人間の名前まで調べたのかなんて事は聞かないでおこう。
肝心のシロは紙を眺めたまま何も反応しない。
ここ最近で何となく勘づいてはいたが、おそらくシロは読み書きが出来ない。
目の前にある紙に自分の個人情報が漏れなく書かれていることも全く分かっていないんだろう。
「○○年生まれってことは、今年で19!?6月1日って来月じゃねえか。どう見ても14~5やそこらだろコイツ」
「子供の成長って早いよねぇ」
「そういう問題か?」
「そんな事よりもっと面白いのは、こっち」
志樹が数枚をまとめてめくる。
『由良 真代/ゆら ましろ』
刺青が入りまくった男の腕に猫のように絡みついて、
まるで天使のような笑顔を浮かべている、
マシロの写真。
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